千秋楽

○琴錦(2-1)敷島×

琴錦が両差しになって両下手を引きつけ,吊りを見せ, 敷島が残して出てくるところを, 腰を回転させるようにしながら掬い投げで転がしました.
終盤は立っていられないぐらい足が痛かったということですが, 今日の相撲で一緒に転んで右足首をさらに痛めたようでちょっと心配です.

今日の水付け呼出しさん
西
幕内前半友太郎太助
幕内後半琴吉邦夫

千秋楽にしてようやっと初めて満員御礼が出ました.

時津海が低く当たって右差し左上手. そのまま低い体勢で休まず攻めて,和歌乃山を寄り切りました.
時津海にようやっといい相撲が出て7勝8敗. こういう相撲がもっと出れば上位でも通用しそうですね.
和歌乃山は勝てば敢闘賞でしたが,残念ながら9勝に終わり,敢闘賞を逃しました.

寺尾が突き上げておいて皇司をさっと叩き込み,千秋楽で勝ち越しを決めました.

朝乃若が低く当たって突っ張ったりいなしたりしましたが, 雅山がかまわずどんどん突っ張って, 朝乃若が押し返すところをうまく叩き込みました.
雅山が10番勝ちました.三賞には名前が上がりませんでしたが,健闘しました. 朝乃若の9勝というのも予想外の健闘でした.

闘牙の突っ張りに対して若の里は頭を下げて何か萎縮したような体勢. 頭が下がりすぎで難なく叩き込まれました.若の里はどうも闘牙に勝てません.

朝乃翔の突っ張りに対して琴ノ若も突っ張り返し, 琴ノ若が押し込むところを, 朝乃翔がよく回り込んで両差しで頭を付ける体勢になりましたが,琴ノ若が左上手. 琴ノ若は半身の体勢でしたがこうなると朝乃翔に攻め手がなく, 長い相撲の末に最後は琴ノ若が引きつけて寄り切りました.
朝乃翔は2勝7敗から7勝7敗まで持ってきましたが, 千秋楽に残念ながら負け越しとなりました.しかし,2枚目で7勝は大健闘です.

7勝7敗同士の対戦.ふわっと立った旭鷲山に対し, 玉春日が無闇に突っ込んでいくようなことをせず,落ち着いて突っ張りのど輪で攻め, 一方的に押し出しました.
玉春日は西筆頭で勝ち越しを決めました.

当たり合ったあと栃東が強烈な右おっつけで貴闘力を押し出しました.
栃東は星を二桁に乗せ,殊勲賞に花を添えました.

武双山が頭から当たって一気に押し込みましたが, 安芸乃島が土俵際で残して右下手左上手のいい体勢に組み止めました. こうなれば安芸乃島有利かと思いましたが,安芸乃島が出し投げを打ち, これをこらえた武双山が, 左下手をがっちり引きつけて右からおっつけて渾身の力で寄って寄り切りました.
武双山の気迫が勝っていましたでしょうか. 武双山はかろうじて勝ち越しを決めると共に,武蔵丸の援護射撃です.

土佐ノ海が今日も右に変化しましたが,魁皇はまったく動じず向き直り, さっと叩いて決めました.
土佐ノ海は無意味な変化で負け越し決定.師匠から大目玉確実ですね.

両者当たり合って出島が左差し. 千代大海がちょっと押し込みましたが, 出島がすぐに押し返してそのまま寄り切りました.

立ち会い若乃花が突っかけて待った. 二度目の立ち会いも息が合いませんでしたが立ち会い成立.
突っ張りいなしから右下手を引いて食いつきましたが, 武蔵丸に右を差されて左上手を取られては万事休す. 武蔵丸が寄り立てるところを土俵際でうっちゃるようにして残して 若乃花らしさを見せましたが,再度武蔵丸が寄っていき, 若乃花が土俵際で懸命に残すところを体を浴びせて押しつぶしました.

これで武蔵丸が,横綱になって初めて,通算6度目の優勝を決めました. 上位陣総崩れの中,体調万全ではないものの武蔵丸が何とか踏ん張り, 横綱の責任を果たしました.
安芸乃島は,残念ながら優勝を逃しましたが,敢闘賞,技能賞を獲得しました. これで三賞受賞通算19回目となり,琴錦の18回を抜いて史上1位となりました.

若乃花は負け越しとなりました. 立ち会いがしっくりこなかったのは残念でしたが, 今の若乃花としてはベストを尽くした一番ではないでしょうか. 怪我を治して万全の状態に戻してもう一度土俵に立って欲しいというのが, 多くの相撲ファンの共通的な希望だと思いますが, 若乃花はどのような決断を下すでしょうか.