千秋楽

○琴錦(24-14)栃乃和歌×

頭で当たって右差し,栃乃和歌の引きに乗じて右手一本で押し出しました. 今場所は最後まで失速せずに,特に終盤は一方的な早い相撲が続き,なんと11勝です. また,6回目の殊勲賞を獲得しました. 三賞受賞通算16回と,史上トップの記録を更新しています.

満員御礼は初日を除く土日の4日間だけでした.

新入幕闘牙は,十両出羽嵐にいいところなく押し出されて敗れ, 負け越してしまいました.十両に逆戻りでしょうか.出羽嵐は十両3枚目で10勝です.

さらに入れ替え戦.朝乃若がおっつけて攻めて,金開山を巻き落としました. 朝乃若は13枚目で7勝目.かろうじて幕内を守ったかな.

さらに入れ替え戦.北勝鬨の両差しを旭天鵬に極められましたが, 振りほどいて頭をつけて寄り切りました. 北勝鬨は11枚目で5勝10敗.道産子幕内力士がいなくなるかどうか,微妙な星です.

優勝決定戦を制して序二段優勝の旭萌天は,大島親方の息子なんですね.

幕内同様混戦だった十両は,出羽嵐,大碇,大至が5敗で並び, 巴戦の結果,大碇が出羽嵐・大至を連破して,優勝決定です.

勝てば敢闘賞の新入幕・若の里. 濱ノ嶋に左を差されて食い付かれましたが,かまわず休まず前に出て, 寄り切りました.10勝目で敢闘賞受賞です.

旭鷲山が執拗に外無双にいくところを,湊富士が上手投げで投げ棄てました. 旭鷲山は狙いすぎですね.しかし,今場所の9勝は,全部違う決まり手だそうです. 湊富士は,貴乃花に勝ちながら,4勝止まりでした.

貴闘力がもろ手でいって,さっと後ろに逃げるところを, 栃乃洋が落ちついて押し出しました. 8連勝スタートだった貴闘力でしたが,後半引き技の冴えがなく失速しました. 栃乃洋は筆頭で7勝8敗に終わりました.

五城楼が立ち会い踏み込んで,安芸乃島が低い体勢でおっつけてくるところを, 土俵際で回り込んで叩き込みました. 安芸乃島は優勝争いから脱落ですが,2回目の技能賞を獲得しました. 琴錦に次ぐ,通算15回目の三賞獲得です.

勝った方が三賞を手にするという珍しい対戦.
千代大海の当たりに対して小城錦も踏み込みました. 小城錦が頭を押さえるように叩きましたが, 千代大海がよく残して逆に押し込みました. しかし,これを小城錦が残して二本差して逆襲. 千代大海の後ろにつきながら押して,押し倒しました.
小城錦は勝ち越しを決めるとともに,殊勲賞を獲得しました. 千代大海は技能賞を逃しました.

魁皇がさっと二本差して,土佐ノ海を一方的に押し出しました. 魁皇は不調ながらなんとか7勝までこぎつけました. 土佐ノ海は怪我が災いして4勝11敗に終わりました.

旭豊が左前廻し,右は肩ごしながら上手を引いて頭をつけましたが,武双山は動かず. 旭豊が掛け投げなど足技で揺さぶりましたが,武双山は残し,4分を越える相撲の末, 最後は投げの打ち合いで旭豊の上手投げに軍配が上がりました. 武双山は元気なく,期待外れの5勝10敗に終わりました.また出直しです.

これより三役に11枚目の出島が登場.
出島が頭から当たっておっつけましたが,貴ノ浪が右から抱え, 左を差して腕を返して万歳させました.しかし出島は右手万歳の状態でかまわず出て, 土俵際まで押し込みましたが,貴ノ浪が土俵半周回り込んで, 最後は突き落とすような掬い投げでたたきつけました. 貴ノ浪は11勝4敗.出島は敗れましたが10勝5敗で2回目の敢闘賞受賞です.

優勝を賭けた大一番.
昨日に続き,武蔵丸は突っかけ気味の立ち会いになりました. 武蔵丸の右からのかちあげを,若乃花が遅れて立って受けて,さっといなして, 頭をつけておっつけで押すと,武蔵丸は力なく土俵を割りました. 若乃花12勝3敗で優勝決定.月曜日の横綱審議会に諮問することが決定しました.

結びの一番は,曙がぶちかまして貴乃花に前廻しを与えず, 右を差して左上手も引いて寄り切りました.両横綱とも10勝5敗で終わりました.
曙は,場所前好調が伝えられ期待が大きかっただけに, 今場所の大混戦のA級戦犯ですね.来場所の土俵で責任を取ってもらわないと. 貴乃花は,とにかく体調を万全に整えることですね.